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コラム

2018.07.30

関節の可動域制限と後遺障害について その2

前回は、関節の可動域制限と後遺障害について(https://www.kotsujiko-niigata.com/column/4836/)見ていきましたが、今回は、関節の可動域制限の後遺障害認定基準についてさらに詳しく見ていきたいと思います。

可動域障害の認定基準は?

可動域制限の後遺障害等級は以下の表のとおりです。

後遺障害等級認定上、可動域制限は、「機能障害」として分類されます。

 

機能障害
1級9号 両下肢の用を全廃したもの
5級5号 1下肢の用を全廃したもの
6級6号 1下肢の3大関節中の2関節の用を全廃したもの
8級7号 1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
10級10号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
12級7号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの

〇「全廃」

「下肢の用を全廃したもの」(1級、5級)とは、3大関節(股関節、膝関節、足関節)の全てが「強直」したものをいいます。

※ポイント

「強直」とは、関節が全く可動しないか、またはこれに近い状態をいいます。

「これに近い状態」とは、健側の可動域の10%程度以下に制限されるか、可動域が10度以下に制限される場合をいいます  

〇「用廃」

「関節の用を廃したもの」(6級、8級)とは、次のいずれかに該当するものをいいます。

①関節が強直したもの

②関節の完全弛緩性麻痺またはこれに近い状態にあるもの

③人工関節・人工骨頭をそう入置換した関節のうち、その可動域が健側の可動域の1/2以下に制限されているもの

※ポイント

「完全弛緩性麻痺に近い状態」とは、他動では稼働するが、自動では健側の可動域の10度程度以下となったもの、または自動では可動域制限が10度程度以下になった場合をいいます。

関節の主要運動が複数ある場合には、すべての主要運動が「強直」した場合に「用廃」と認められます。

〇「著しい機能障害」

「関節の機能に著しい障害を残すもの」(10級)とは、次のいずれかに該当するものをいいます。

①関節の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの

②人工関節・人工骨頭をそう入置換した関節のうち、その可動域が1/2以下には制限されていないもの

※ポイント

人工関節または人工骨頭となった場合には、それだけで10級と認定されることになります。

関節の主要運動が複数ある場合、主要運動のいずれか一方が1/2以下にされれば、「著しい機能障害」に該当します。

〇「機能障害」

「関節の機能に障害を残すもの」(12級)とは、関節の可動域が健側の可動域角度の3/4以下に制限されているものをいいます。

自動運動と他動運動とは?

「自動運動」とは、自分の力で動かせる可動域をいいます。これに対し、「他動運動」とは、外的な力で動かせる可動域をいいます。

後遺障害等級認定における可動域制限の認定は、原則として、他動運動による測定値で行われます。

ただし、神経の麻痺やがまんできないほどの痛みがある場合には、自動運動による測定値を用いるとされています。

主要運動と参考運動とは?

各関節の主要運動と参考運動は、以下の表のとおりです。

関節には様々な動きがありますが、主要運動か参考運動かの区別は、「関節の機能障害の評価方法及び関節可動域の測定要領」(日本整形外科学会及び日本リハビリテーション医学会が策定)によって決められています。

 

部位 主要運動 参考運動
屈曲、外転・内転 伸展、外旋・内旋
ひじ 屈曲・伸展  
手(腕) 屈曲・伸展 撓屈、尺屈
前腕 回内・回外  
股関節 屈曲・伸展、外転・内転 外旋・内旋
ひざ 屈曲・伸展  
足(足首) 屈曲・伸展  

 

後遺障害等級認定は、原則として、主要運動によって判断されます。

ただし、主要運動の可動域が、後遺障害等級の数値をわずかに上回る場合には、参考運動の1つについて可動域角度が1/2または3/4以下に制限されていれば等級認定するとされています。

痛みを理由とする可動域制限はどうなる?

後遺障害等級認定における可動域制限は、交通事故により、関節の可動域制限を生じさせる器質的損傷(物質的、物理的に原因が特定できる損傷)である必要があります。

そうすると、痛みを理由とする可動域制限の場合は、神経障害(12級または14級)として別の系列に評価されることになります。

可動域の測定について注意すべきことは?

可動域の測定は、通常、医師によって行われ、診断書に記載されます。

診断書の記載上は、後遺障害認定の基準(1/2、3/4)を満たしているにもかかわらず、後遺障害認定が認められない場合もあります。

その理由は、①測定要領に従って測定されていない場合、②器質的損傷と可動域制限に整合性がない場合があげられます

①は、そもそも医師が測定方法を間違っていたりする場合です(これは案外ありますので注意が必要です)

②は、交通事故後診断書や画像(レントゲン、CT、MRI等)を検討した結果、可動域制限が残ることについて整合性が認められないという場合です

交通事故後定期的に可動域を測定していたところ、数値が良くなったり悪くなったりとばらつきがある場合にも整合性がないと判断されることがあります

 

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この記事を執筆した弁護士
五十嵐 亮

五十嵐 亮
(いからし りょう)

弁護士法人一新総合法律事務所 
理事/弁護士

出身地:新潟県新潟市 
出身大学:同志社大学法科大学院修了
新潟県弁護士会犯罪被害者支援対策委員会(平成22年~)、新潟県弁護士会常議員(平成28年度)、長岡警察署被害者支援連絡協議会会長(令和2年~)、長岡商工会議所経営支援専門員などを歴任しています。
主な取扱分野は企業法務全般(労務・労働・労災事件、契約書関連、クレーム対応、債権回収、問題社員対応など)、交通事故、離婚。事故賠償チームに所属。
著書に、『労働災害の法律実務(共著)』(ぎょうせい)、『公務員の人員整理問題・阿賀野市分阿賀野市分限免職事件―東京高判平27.11.4』(労働法律旬報No.1889)があります。

 

 

 

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