新潟県内で交通事故に遭い、骨盤に損傷や後遺障害を負われた方に役立つ情報を、弁護士が徹底的に解説いたします。

 

 

骨盤・股関節の構造

骨盤は、左右の寛骨（腸骨、坐骨、恥骨からなる）、仙骨、尾骨により成り立っています。

仙骨と腸骨は仙腸関節で、左右の恥骨は恥骨結合により結合されています。

 

その他の部分は、靭帯で結合されています。

骨盤自体には可動性はありません。

 

 

代表的な損傷－骨盤骨折

骨盤骨折とは

骨盤を構成する骨を骨折することをいいます。交通事故、転落・転倒等の外傷によって発生することが多いとされています。

骨盤輪の破たんを伴う不安定骨折と、骨盤輪の破たんを伴わない安定骨折に分かれます。

 

症状

骨折による局所的な症状としては、痛み、外観上の変形、腫脹（はれ）などがあります。

 

強い外傷による骨盤骨折の場合には、靭帯の損傷をはじめ、血管や内蔵機の損傷を伴うこともあります。合併損傷しやすい臓器は、腎臓、膀胱、子宮、膣、腸管、肛門などです。

検査・診断

単純Ｘ線を実施します。仙腸関節などの後方要素の損傷の有無や程度の評価のためにはＣＴが有効であるといわれています。

また、臓器損傷の有無や評価のためにもＣＴや血管造影は有効です。

治療方法

安定骨折の場合は、通常は保存療法によります。

不安定骨折の場合には、手術が必要となる場合もあります。

後遺障害認定のポイント

骨盤の後遺障害等級

変形障害

１２級５号

骨盤骨に「著しい変形障害を残す」場合に該当します。

「著しい変形障害」とは、裸体となったとき、変形（欠損を含む）が明らかにわかる程度のものをいうとされています（Ｘ線写真によってはじめて発見できる程度のものは該当しません）。

 

また、ここにいう骨盤骨には、尾骨は除くものとされています。

機能障害

１１級１０号

次のいずれかの場合に、該当します。

 

①狭骨盤

産科的真結合線が９.５cm未満または入口部分の横径が10.５cm未満

 

②比較的狭骨盤

産科的真結合線が10.５cm未満または入口部分横径が11.５cm未満

 

骨盤が狭まるということは、産道が狭まるということですから、正常分娩ができず帝王切開を余儀なくされること可能性があります。

そのため、狭骨盤・比較的狭骨盤は、後遺障害とされています。

 

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